全国の国宝や重要文化財などの文化遺産を解説付きで楽しめる
「文化遺産オンライン」は、全国の美術館や博物館など 100 の参加協力団体が登録する 65,000 件の文化財情報を検索できる文化財のポータルサイトです。文化庁の国指定文化財データベースとも連携しており、国宝や重要文化財なども数多く登録されています。本サイトは、文化遺産オンライン構想に基づいて平成 16 年 4 月に試験公開版を一般に公開し、平成 20 年 3 月には正式版の公開を果たしました。文化庁と国立情報学研究所が企画と運営を担っています。
文化遺産オンライン正式公開版では、日本全国の博物館や美術館など100の参加協力団体(ミュージアム)から提供された所蔵作品情報80,000件を検索して閲覧できます。このうち画像が提供されている作品情報は25,000件にのぼり、トップページの「Gallery(ギャラリー)」の各ページからアクセスできます。
ギャラリーには「時代から」、「分野から」、「地域から」といった比較的わかりやすい切り口を用意し、専門的な知識を必要とせずに誰もが簡単に作品情報をたどれるように構成しています。また、探したい作品がある利用者向けには、作品名や作家名などの項目ごとに検索条件を設定できる「条件を入れて探す」という入り口を合わせて用意しています。
ギャラリーを入り口とした作品情報へのアクセスは次のように行います。まずトップページに黄色のバナーで示された「分野から探す」ページを開きます。次にページ中段の「工芸-陶磁」のリンクをたどります。すると陶磁器作品の一覧が、サムネールや名称とともに画面に出力されます。その中から気に入った作品をクリックすると、300ピクセルの写真や名称、作者、材質などの情報とともにその作品の詳細を知ることができます。
また、詳細ページの下方には、閲覧している作品と関連が深いと思われる関連5作品が「汎用連想計算エンジンGETA」を活用した連想検索によって表示されます。さらに作品サムネール左上のボックスにチェックを入れて「+検索」ボタンをクリックすると、選択した複数の作品から、関連すると思われる他の作品を求めることもできます。
このようにギャラリーでは、日本全国のミュージアムの中を、あたかも自らの興味にしたがって「めぐり歩く」感覚で、多様な作品を写真とともに楽しむことができます。その他、詳細ページには「想-IMAGINE」へのリンクが用意され、その作品に関連する書籍や記事、ウィキペディアの項目等を閲覧することもできます。
文化遺産オンライン正式公開版では、試験公開版で対象とされていなかった「画像の登録されていない作品」の情報を新たに公開しました。「文化遺産データベース」は、登録作品80,000件すべての情報を閲覧できるサービスです。
文化遺産データベースへは、トップページのリンクからたどることができます。入り口はギャラリーの「条件を入れて探す」と似た構成ですが、検索結果一覧についている右側のパネルで、検索条件を変えることや、連想検索結果をさらに絞り込むことができます。検索結果の並べ替え機能なども合わせて使うことで、登録作品を様々な角度から眺めることができるサービスとなっています。文化遺産データベースは、ある程度の情報リテラシや作品知識を持つ方を想定しており、ギャラリーとは一線を画するいわばプロユースのサービスを目指しています。
「国立美術館 遊歩館」は、東京国立近代美術館や国立西洋美術館など、国立美術館4館の所蔵作品から、のべ1,000点をテーマ別に眺めることができる電子リーフレットです。国立美術館情報企画室と国立情報学研究所が共同で制作し、2007年4月1日に公開を開始いたしました。なお本サービスは2008年グッドデザイン賞を受賞しています。
「国立美術館遊歩館」は、専門的な知識や検索の技術を持たない方でも気軽に、かつ簡単にアクセスできる発信環境を備えています。あたかも紙で作られたリーフレットのようにパタパタと画面が横に開き、あっという間に作品情報にたどりつくことができるインタフェースと、国立美術館に所蔵されている作品を、「空間」や「うつろい」といったやわらかいカテゴリとテーマで紹介する展示構成が特徴です。気軽に楽しく作品に触れていただくことができるサービスとなっています。
「遊歩館」は画面遷移に連続性があり、情報がひとつの画面に収まっているという感覚を保ちながら操作していただけます。画面が瞬時に丸ごと変わってしまういわゆるハイパーテキストに向いたインタフェースや構成を苦手に感じる方にとっても使いやすい、これからの文化財情報発信に向いた「電子企画展支援システム」を目指しています。
URL:http://bunka.nii.ac.jp
サービス開始:試験公開版 2004年4月、正式公開版 2008年3月